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議会報告

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平成10年市議会報告 議会録

■質問者 きくち伸英
私は、自民党議員団の一員として一般質問を行います。 まず最初に、松山市における都市計画道路網の計画についてお伺いをいたします。21世紀を間近に控えた今日、国際化や高齢化の進展など、私たちを取り巻く生活・社会環境は大きく変化しつつあり、これに伴って交通 に対するニーズも多様化、高度化してきております。このような中で、交通 における安全性、快適性、利便性、高速性の一層の充実や県内、国内はもとより諸外国とも円滑に交流できる交通 ネットワークの構築、人や環境に優しい交通体系の整備など、新しい時代にマッチした交通 体系の形成は、私どもが今後取り組むべき最も重要な課題の一つであろうと考えるのであります。いよいよ、来年の春には本四連絡橋の今治・尾道ルートも開通 することとなり、これの受け皿となります今治・小松自動車道や松山自動車道の整備、さらには松山空港の国際線就航等、交通 新時代を迎え、21世紀を見据えた豊かで活力ある社会の実現を可能にする総合的な交通 体系整備の必要性が高まってきております。一方、本市におきましても、来春には松山環状線の全線供用が予定されており、松山・北条バイパス、松山観光港へのアクセス道路である高浜・高岡線の整備、南部の市街地と中心市街地を結ぶ千舟町・古川線等々、交通 ネットワークの整備が着々と進められているところであります。御案内のとおり、本市は、中心市街地から放射線状に延びる一般 国道と、これを郊外で連絡する松山環状線及び松山外環状線が主要な幹線道路であり、これらの道路をどのようにして効果 的に機能させるかが重要と考えるのであります。このことから、今後松山市の市街地がどのように拡大され、また、将来の交通 量はどのように変化するのかを的確に把握し、将来の道路網はどうあるべきかを都市計画の中で位 置づけしておかなければならないと思うのであります。 そこで、お尋ねしたい第1点は、松山市の都市計画道路は基本的にどのような考え方で計画がされるのか。また、既に計画されている道路の見直しの考え方についても、その御所見をお伺いいたします。第2点は、本市の西部・北部地域における松山外環状線を初めとする都市計画道路の見直し作業を進めていると前々からお聞きしておりますが、その進捗状況と今後の見通 しについてお聞かせください。  次に、水道事業についてお伺いいたします。御案内のように、水道事業者は、一般 の需要に応じて適正な水圧、水質の水を供給するという責務を負わされておりますが、水道事業がこうした責務を果 たすためには、ダムなどの取水施設から浄水場を経て家庭の蛇口に至るまでの施設が有機的に機能して、初めて達成できるものであります。したがって、施設の一部が欠けただけでも、全体としての機能が麻痺することにもなりかねないわけでありまして、これら施設の維持は水道事業者として最低限の義務であり、そのためには多額の投資が必要になると思われるわけであります。本市の上水道の歴史を振り返ってみますと、4次にわたる拡張事業を終え、維持管理時代に入ってから既にかなりの年月を経過しており、拡張時代において建設した基幹施設の老朽化の進みぐあいが危惧されるところであります。一方、さきの阪神・淡路大震災の教訓から、ライフラインとしての水道の役割はますます重要なものとしてクローズアップされ、水道の施設基準についてもよりグレードの高いものが要求されるようになっております。そこで、維持管理時代における水道施設の整備について、以下数点お尋ねいたします。 まず第1点は、基幹施設の老朽化の状況と、その更新計画についてであります。新年度の当初予算案を見てみますと、老朽施設の更新事業費として5億8,720万円が計上されておりますが、その内容とあわせて長期的な視野に立った今後の更新計画についてお伺いをいたします。次に第2点として、震災対策等危機管理に対する施設の増強策と、その事業計画についてであります。このことにつきましても、当初予算案に上水道安全対策事業費として9億7,580万円が計上されておりますが、その内容と施設に対する危機管理の考え方についてお伺いをいたします。最後に、これらの設備投資の規模とその財源措置についてであります。老朽施設の更新や地震対策等に係る施設の増強は、水道サービスを支えるのに不可欠なものではありますが、新たな需要、すなわち料金収入の増につながるものではないという性格の投資であることから、設備投資規模の適正化に配慮した上で、その財源の措置についても安易に借入金に依存して、負担を将来に先送りしないようにすることを前提としなければなりません。そこで、設備投資規模の適正化と財源措置の考え方についてお伺いをいたします。 3つ目の質問は、道後温泉に関連してお尋ねをいたします。松山と言えば道後温泉と言われるほどに、全国に名前の通 った観光地であり、その中核をなす道後温泉本館は、およそ3,000年の古い歴史を持つ日本最古の温泉で、天下の名湯とたたえられ、また、全国でもまれな単純アルカリ泉という泉質と独特の温泉情緒で有名であり、古今の著名な文人墨客、知名の人々が訪れている施設であります。また、当市の主要な観光資源であることは言うに及ばず、県内はもちろん、四国の観光にとっても集客力の強い重要な観光拠点であることは、既に多くの方々によって言い尽くされているところであります。しかしながら、過日の新聞報道によりますと、道後温泉の宿泊客は10年ぶりに100万人の大台を割ったとのことであり、道後温泉の入浴客の推移を見てみましても、瀬戸大橋開通 時、昭和63年ですが、154万人台をピークに、平成9年には134万人台と減少傾向にあります。時あたかも、四国の人々にとって、長い間の念願であった瀬戸内三橋時代の幕あけを目前とした今日、全国からの観光客の増加が見込まれますが、その旅行形態も団体旅行から小グループ、家族化へと変化しつつあります。こういった諸条件の変化に対応して、スムーズに観光客を受け入れるための施策が、各観光地にとって共通 の緊急課題であろうと存じております。 そこで、質問の第1点は、道後温泉本館神の湯の改修工事が約60年ぶりに去年の末から着工されたとのことでありますが、本工事の進捗状況と完成時期について、また期待される効果 についてお尋ねをいたします。第2点は、このたびの改修工事期間中の観光客及び朝湯利用客への影響とその対応策についてはどのように考えておられるのか、お伺いしたいのであります。次に、旧温泉センターの立ち退きについては、長年の懸案事項でありましたが、返還交渉の結果 、去年の4月末をもって解決いたしておりますが、その後、建物周辺の空き地を臨時的に入浴客専用の駐車場としての利用に供し、入浴客の利便を図り、好評を得ているとのことであります。また、この旧温泉センターの建物の地下には旅館への給湯施設があり、今後建物の撤去を行うに当たっては、まずこの給湯施設の移設をすることが必要であろうかと考えます。そこで、質問の第3点は、この跡地の有効利用を図るためには、まず既設建物の撤去が絶対条件であろうと思いますが、今後どのような手順で取り組まれるのか、お伺いをいたします。また、その後の跡地利用についても、道後地域における貴重なスペースであることから、いかなる方針で整備計画に取り組まれるのか、あわせてお伺いをいたします。 4つ目の質問は、文化財の保護についてお伺いをいたします。松山市には石手寺仁王門、大宝寺本堂、太山寺本堂の3件の国宝、松山城天守、道後温泉本館などの重要文化財の建造物、そのほか絵画や彫刻などの有形文化財が国、県、市指定のものを含めれば89件もあります。また、能楽の保持者2名が重要無形文化財に指定されており、有形無形の民俗文化財が県、市で8件、史跡・天然記念物の48件を合わせると、松山市内では147件、272点もが文化財に指定されておりまして、松山の歴史と文化を物語る貴重な文化遺産であります。これら指定文化財の保存保護については、重要文化財の改修や史跡整備など、松山市の所有する文化財を中心に、その施策が進んでいるところであり、市長の御英断に賛意を表するものであります。こうした国、県、市の指定文化財以外に市内の各校区には歴史的由緒のある、いわゆる文化遺産というものが数多くあります。市民の多くの方は、これらに関心を寄せて、地域文化を学習し、保存保護策を考え、後世に伝えようと努力をしております。文化財は町の顔であり、文化財を生かしたまちづくりを進めることが、先人の残した貴重な文化遺産を守る上で大切であります。 そこで、お伺いしたい第1点は、指定された文化財と指定されていないものとはどのような違いがあるのか、お聞かせをください。第2点は、本市の文化財指定の方法についてもお伺いいたします。しかし、何と申しても文化財を守り、長く後世に伝えるためには、これを愛する心を育てることが大切であり、文化財に親しむ機会を多く設けることが肝要であると思うのであります。このため、松山市では文化財を多くの市民に実際に見て学習できる機会を設けるため、文化財めぐりを実施しておりますが、この事業は昭和53年度から実施しており、全国的にも先進的な事例として文部省の活力ある教育行政を求めてという書籍にも取り上げられ、本事業が文化財の活用面 でのモデル都市として各都市の反響も大きく、行政視察や事業内容の照会が相次いでいることも仄聞しております。そこで、第3点は、この事業が20年を経過して、参加者がどうなっているのか、今後コースの見直し等を考えておられるのか、お伺いをいたします。以上のような有形文化財への配慮とともに、その土地、地域に根づいた暮らしの中で、親から子へと伝えられてきた無形の民俗が、社会の変化、生活の近代化によって大きくさま変わりしております。地域の年中行事や民俗芸能などが人々の記憶から忘れ去られようとしている折から、無形民俗文化財の記録保存に取り組まれておりますことは、まことに意義のあるものと賛意を表するものであります。そこで、第4点は、この事業が3年目を迎え、どのような内容で、どのような成果 を目標とされているのか、お伺いをいたします。人が松山で学び、文化をはぐくむという松山市の基本方針からも、こうした文化財保護に対し、期待をするものであります。 最後の質問は、消防行政に関連して、携帯電話による119番通報についてお伺いいたします。近年における高度情報化社会を背景として、各都市においては先端技術が導入され、新しい情報化社会が日進月歩の進展をしておりますが、このような状況の中、各分野においては市民生活の向上を図るべく、的確な対応策が推進されておりますことは御案内のとおりであります。さて、昭和23年、自治体消防発足以来50周年を迎えた今日、松山市消防局においては消防の組織、施設、装備が充実され、その活動も火災、救急救助から風水害等、自然災害の対応まで、広範囲にわたって市民生活の安全確保のため、大きな役割を果 たしているところであります。この間、消防通信施設については消防通信指令管制システムの構築を初めとして、無線中継基地の構築による無線施設の拡充整備、発信地表示システムの導入や自動式サイレン装置の整備など、高度情報化社会に的確に対応すべく施設の整備充実を図っておられるところであります。特に、平成7年の1月の阪神・淡路大震災を教訓として、平成9年4月に運用を開始した画像電送システムについては、消防局無線鉄塔と行道山無線中継基地鉄塔に高感度監視カメラを設置することになり、自動的に市内の状況を24時間広範囲に監視し、日常の災害に対応し、その効果 を発揮しているほか、大災害時には現場映像を地域衛星通信ネットワークの人工衛星を利用して、自治省・消防庁を初め都道府県やほかの消防本部へリアルタイムに送信し、広域消防応援体制の確立を図る等、大災害における危機管理体制の一層の充実強化が図られていると聞き及んでいるところであります。このように通 信施設が充実強化されていることは、市民生活の安全が図られることであり、大変喜ばしいことと思っております。しかしながら、電気通 信の技術革新と情報通信分野の進展に伴い、急激に普及しているのが携帯電話であります。現在では、ビジネスマンはもとより、学生に至るまで手軽に使用できる便利な通 信手段として、県内では約26万9,000台も普及していると聞き及んでおります。こうした状況の中で、その利用についていろいろ問題が生じているところでありますが、携帯電話による119番通 報についても影響があるのではないかと思っております。仄聞するところでは、携帯電話による119番通 報は、各県庁所在地の消防本部へすべての通報が接続されるため、受信する各消防本部では、管轄外市町村からの通 報を受信することとなり、その場合、災害現場の特定や、また発信者へのかけかえ依頼等に苦慮していると聞き及んでおります。 そこで、お尋ねいたします。第1点目は、松山市における携帯電話による119番通 報の現状と問題となる点はないのか、お尋ねをいたします。第2点目は、携帯電話による119番受信体制について、今後松山市においてどのような対応を考えておられるのか、お伺いをいたします。市長を初め関係理事者の明快なる御答弁をよろしくお願いいたしまして、私の一般 質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

■答弁者 中村時広市長
きくち議員には、私の方からアメリカ海軍の原子力潜水艦と宇和島水産高校の実習船えひめ丸との衝突事故及び広域合併とそれに関連する諸問題についてお答えをさせていただきたいと思います。 まず、えひめ丸の衝突事故につきましては、すべての県民が悲惨な現実に心を痛め、また事実の解明に伴って怒りを感じているものと思います。事故発生後に、行政を預かる立場から個人的に思ったことは、日米間に横たわる文化の障壁や日米関係という特殊要因が、いろいろな面で問題を複雑化するのではないのかということでありました。文化の障壁は、考え方の相違という言葉に置きかえた方がわかりやすいかもしれません。行方不明者の捜索、船体の引き揚げ、事実解明などにおいて日米間の常識には大きな隔たりがあることは間違いありません。日本の常識を米国に理解していただき、我が国政府が積極的に働きかける空気をつくり上げ、捜索活動の継続や引き揚げの確約をいかに米国から取りつけるかが当面の課題であったと思います。昨年、ロシアの原潜が海底100メートル、えひめ丸は640メートルですが、海底100メートルに沈みましたが、いまだに放置されたままであります。世界じゅうの海において引き揚げられないまま放置されている船の数は、その数を知りません。悲しいかな、それが世界の現実であります。えひめ丸については、紆余曲折を経て引き揚げの方向に向かいつつありますが、ここに至るまでには対策本部の設置、政府への要望、米国関係者への強い申し入れなど、加戸知事を先頭にした愛媛県の迅速かつ粘り強い働きかけが大きな役割を果たしたことは、冷静に見て、私は間違いないものと思っております。しかしながら、いまだ船体引き揚げの確約までには至っておりませんので、それが現実となるまでは、目標をその1点に絞って、県を先頭にそれぞれの市町村自治体がそれぞれの議会と協力をして、このことをサポートしていくことが今なすべきことと考えております。もちろん、何かできることはないだろうかという思いは全県民がお持ちであろうと思いますし、さまざまなところで行動が起こっておりますけれども、例えば阪神淡路大震災のときのように、たちまち生活物資や生活資金が必要とされているわけではなく、関係者に対しては県が全面的にフォローされておりますので、引き揚げの確約が取りつけられるまでは、それぞれの自治体が思い思いに動き始めることは、かえって混乱を招くことにもなりかねず、冷静に考えて行動することが必要であるようにも思っております。今後においては、市としても引き揚げ実現のサポートを引き続き心がけ、事態の推移を注意深く見守りつつ、県や宇和島市からいろいろな面で具体的な協力要請があったときには、速やかにかつ全力で態勢をとる準備を常時しておきたいというふうに思っております。 次に、市町村合併についてお答えいたします。まず平成17年3月、合併特例法の期限までの間どういったスタンスで合併に取り組むのか。また、松山市の公債費のピーク時に思い切って合併を推進し、財政面において国から支援措置を受けることについてでございますけれども、御案内のように市町村合併は、地方分権時代の受け皿づくりとして国や県が積極的に推進しておりまして、これまで合併特例法の改正による財政上の優遇措置を図る一方、愛媛県におきましては先般、自主的な合併の指針ともなる市町村合併推進要綱を策定し公表したところでございます。したがいまして、今後合併に向けた議論が高まるものと存じますが、地方自治体はそれぞれ置かれております財政状況を初め地理的条件、産業構造、あるいは地域で果たす役割など大きな差異がございまして、合併の推進に当たりましても、その目的や緊急性など一律の物差しでははかれないものがあり、地域の実情に応じた弾力的な対応が肝要であると思っております。また、合併特例法の財政支援措置につきましては、合併後の自治体のまちづくりや一体感の醸成、そして地域間格差の是正などに充てることが予定されているものでございまして、現在個々の自治体の財政難を打開することへの効果については、慎重に判断することが必要ではないかなと、そんなふうに考えております。こうした中で、今後本市が周辺自治体と合併する場合には県都として、また中核市としての都市機能や、これまでの周辺町村との合併の経緯などから、周辺の自治体の編入を基本とした合併になるのではないかというふうに考えております。申し上げるまでもなく、合併はそこに住む住民の意向が尊重されるべきものでありますから、まず周辺自治体におきまして、御指摘の合併特例法の支援措置や期限なども視野に入れながら、今どうして合併が必要なのか、また合併をした場合どのような姿になるのか、さらには合併をするためにはどのような条件の整備をしなければならないか、こういったことを明らかにし住民との議論を進め、合併をするかどうかの判断をしていただきまして、本市への働きかけがあった場合は、市民サービスの低下や市民負担の増加を伴わないことを基本として調整いたしまして、このことは議会にも御報告するとともに、市民の皆さんにもお知らせしながら関係自治体との協議に入りたいと考えております。したがいまして、本市から近隣市町村に合併を呼びかけることにつきましては、周辺市町村の住民の方々にもいろいろな考え方もあると存じますので、慎重に対応したいと考えております。その意味から、周辺自治体からの働きかけがあった場合にも対処できるように、既に庁内に研究組織を設置いたしまして、昨年10月県から示されました市町村合併のパターンの試案に基づき本市への影響などについて研究してまいりましたが、先般県から市町村合併推進要綱が正式に示されましたので、これまでの研究結果やこれまでの合併の実績を踏まえながら、対象地域の将来像や合併に伴うそれぞれの関係市町のプラス面やマイナス面、あるいは制度の統合の際必要な格差の調整などを再検討させたいと考えております。また、市民への啓発につきましては、周辺自治体からの働きかけを受けて具体的な合併の協議に入る段階で、その影響などをお示しし、十分な議論をいただきたいと考えております。 次に、理想的な合併パターンにつきましては、県の要綱で示された合併パターンを中心に今後いろいろと議論が深まっていくものと予想されますが、市町村の行政区域を定めるに当たっての一つの理想は、そこに住む住民の方々の生活圏と行政区域が一致することであろうと思っておりますが、議員御指摘の政令指定都市を目指すことにつきましても一つの考え方であると思っておりますけれども、これまでの全国の実績から見てみますと、おおむね100万人の人口規模が目安となっているようであります。ですから、このことが現実問題、例えば合併という問題を基軸として、60万でも70万でも、現実問題になるということになれば状況は変わってくると思いますが、現在のところは、大体100万人というのが政令指定都市の承認の目安というふうなことであろうと思っています。  次に、合併に向け、松山市の職員数をどのようにしなければならないかにつきましては、一般職の職員数は、現時点で厳密な意味での推計値を把握することはできかねますが、県が提案する現在の70市町村を11にする合併パターンに従いますと、人口規模は約54万人となりますので、本市職員1人当たりの人口から推計しますと、おおむねですけれども3,900人になるものと思っております。現実に、今の示されたパターンの現在の職員数を加算していきますと、四千二百余というふうな人数が現実の数字になっております。  その他の質問につきましては、関係理事者の方から御答弁させていただきますので、よろしくお願いいたします。

■答弁者 田中誠一市長
菊池議員に、私からは松山市の都市計画道路網の計画についてお答えいたします。 我が国は、21世紀初頭に国民の大多数が都市に居住する、いわゆる都市型社会を迎えようといたしております。こうした中で、良好な市街地を形成し、都市の円滑な活動を支える都市交通 施設の果たす役割の重要性につきましては、申すまでもないところでございますが、殊に当地域が名実ともに瀬戸内3橋時代を迎え、交通 環境が大きく変化する中にあって、多様な交通問題への対応に向けては、中・長期的展望に立った取り組みが強く求められているのであります。このようなことから、本市では国、県の協力を得ながら、高速道路を初め主要国道等を郊外で効果 的に連結するとともに、空港、港湾等の主要施設へのアクセスを視野に入れた松山外環状線等の計画を進める一方、域内幹線道路の整備に努め、総合的な交通 体系の確立に積極的に取り組んでいるところでございます。 そこで、都市計画道路の計画に当たっての基本的な考え方についてでありますが、都市計画道路は都市を構成する骨格として、交通 の円滑化はもちろん、防災、日照等々、安全で快適な都市を形成するための重要な施設であります。したがいまして、この計画に当たりましては市街化の動向や交通 環境、将来の交通需要、さらには経済性などを十分考慮した計画でなければならないと考えております。 また、既に計画している道路の見直しにつきましては、周辺の土地利用の動向や将来交通 量、さらには道路構造令等々を考慮し、現行にそぐわない計画道路については必要に応じ、国、県など関係機関との調整を図り、適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、松山外環状線の延伸計画など、進捗状況と今後の見通しについてでありますが、松山外環状線は、平成3年3月、国道11号から国道56号までの約7キロメートル区間を都市計画決定し、引き続き国道56号から国道196号までの約10キロメートルについて、安全性や経済性を重視した道路の断面 構成や構造など、現在、国、県と協議を行っているところでございます。したがいまして、これらの協議が調い次第、西部・北部地域等における関連道路の見直しも含め、早期都市計画決定に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りますようお願いを申し上げます。 その他の質問につきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。
■答弁者 商工観光部長 河野通俊
菊池議員さんに道後温泉本館神の湯改修工事の進捗状況及びその効果 についてお答えいたします。 道後温泉本館の浴室は、長らく大きな改修を行っていないため老朽化が進み、天井が剥離するおそれがあるなど、利用客からは壁面 や洗面施設の改善などの要望があり、歴史と伝統の継承に配慮しつつ全面 的に改修を行っているものであります。  そこで、この工事に当たっては、休業を避けるため、浴室ごとに順次施行しているところでありまして、現在、男湯西浴室の進捗率は約80%であります。さらに、男湯東浴室、女湯浴室を改修し、浴室全体の完成は本年12月を予定しております。 また、改修により期待される効果につきましては、平成11年4月、西瀬戸自動車道の開通 が予定され、増客が見込まれることから、重要文化財の建物にふさわしく、景観と整合した落ちつきと安らぎのある入浴施設にすることにより、満足度を高めることが今後道後温泉への来客の増加につながるものと期待をしております。  また、朝湯客や観光客への影響とその対策でございますが、工事期間中は椿の湯の開館を30分繰り上げ、本館と同じ6時30分から開業し、常連の入浴客に対して繁忙期には椿の湯の御利用を呼びかけるなど、御理解と御協力をお願いしているところであります。  次に、旧温泉センター跡地の利用についてお答えいたします。議員さんが申されますとおり、跡地の利用を図るためには、老朽化している建物の撤去が必要であります。しかし、地下の分湯施設と本館南側の給湯施設を同敷地内の一角に設置し、その施設に本館事務所を併設すべく検討しているところでございます。このことが、本館周辺の環境整備や客室の改善など、利用客の利便性とより一層のサービスの向上が図られるものと考えております。 また、跡地の整備につきましては、道後温泉の発展と地域の活性化を図るため、旧温泉センターの一日も早い撤去に向けて、地権者を初め地元関係者と鋭意協議を進めているところでございますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。  答弁を終わります。

■答弁者 消防局長 田所和人
菊池議員さんに、消防行政に関連して、携帯電話による119番通報についてお答えいたします。 第1点目の現状と問題点についてでございますが、議員さんの申されますように、県内の携帯電話による119番通 報は、すべて県庁所在地である松山市消防局において受信しております。平成9年中の通 報受信は4,076件であり、そのうち市内からの通報は1,497件で約37%、市外からの通 報が2,579件で約63%を占めております。なお、市外からの通報については、松山市消防局では災害場所の特定や管轄消防本部の出動体制の把握が困難なことなどから、責任ある対応ができないため、近くの公衆電話から119番通 報をするか、または管轄消防本部の電話番号を知らせて、かけ直すように指導をしております。また、問題となる点といたしましては、管轄消防本部へかけ直すことによって、通 報のおくれを生じることや通報者に不満を持たせることなどがあります。 第2点目の119番受信体制についてでございますが、ただいま申し上げました問題点につきまして、愛媛県消防長会及び通 信事業業者などにおいて協議をした結果、県内を5ブロックに分割し、それぞれのブロックごとの代表消防本部で受信した119番回線を、その地域を管轄する消防本部へ転送し、通 報者から直接受信できる体制に改善することにいたしております。 松山市消防局は、中予ブロックの代表消防本部として北条市、伊予、東温、上浮穴の各消防本部が管轄する地域及び中島町からの通 報を受信し、管轄消防本部などへ転送できるように本年度中に工事を完了する予定であります。こうすることによって、松山市消防局における通 報受信件数の減少による業務の省力化と通報者から管轄消防本部に対する119番通 報の時間短縮が図られるなど、問題点を解消することができます。御理解賜りますようお願い申し上げ、以上で、答弁を終わります。
■答弁者 生涯教育部長 三好俊彦
菊池議員さんに文化財保護についてお答えをいたします。 まず、国、県、市の文化財に指定されているものと指定されていないものとの違いについてでありますが、御承知のとおり、文化財は我が国の長い歴史の中で生まれ、はぐくまれ、今日の世代に守り伝えられてきた貴重な国民的財産として、文化の向上発展の基礎をなすものでありますので、有形・無形・民俗文化財、記念物などの中から重要なものを選定し、国、県または市指定の文化財として活用を図りつつ、保存保護しております。  そこで、指定された文化財は所有者または管理者、国、自治体が共通の認識のもとに保存保護に努める責務があるものと考えております。そのほか、市内の各地区にある由緒ある文化遺産につきましても、これに親しみ、守り、伝えることが文化財を愛する心を養う上で大切であると認識いたしております。 次に、第2点の文化財指定の方法についてでありますが、松山市の文化財指定の場合、文化財を所有するもの、あるいはこれを管理する個人または団体からの申請を受け、学術的な調査の後、価値の高い重要なものについては教育委員会が文化財専門委員会に諮問して、答申をいただくことになっております。 次に、第3点の文化財めぐりについてでありますが、参加者は平成8年度が2,778名、9年度は2月末で2,442名であり、婦人団体、各種グループや老人クラブなどが、その主な参加者でございます。現在は、交通 の利便性や所要時間を考慮し、6つのコースに限定して実施していることや、申し込みが団体に限られているため、今後は広く市民の御要望などを参考にして、大型バスの運行路、駐車場からの徒歩時間や安全性等を考慮して、5年目を迎える句碑めぐりなどとの調整を図りながら、コースの見直し等を検討してまいりたいと存じます。 次に、第4点の無形民俗文化財の記録保存事業の内容につきましては、平成8年度から11年度までの4カ年をかけて、人々の暮らしの中での調査に重点を置き、松山地方の地域や家庭で行われてきた年中行事、民俗行事、芸能などを民俗学の先生の御指導を得ながら、各地区に出向いて聞き取り調査を行い、映像や音声、文書に記録するものであります。  次に、目標とする成果についてでございますが、世代を超えて、今なお関係者により守り継がれている風俗や慣習が、次の世代に正しく伝承されることを願い、これらの資料を生涯学習や地域の研究材料として気軽に市民の方々に御利用いただく中で、我が町を再認識する糧となるよう努めてまいりますので、御理解賜りたいと存じます。 答弁を終わります。

■答弁者 公営企業局施設部長 一色正道
菊池議員さんに維持管理時代における水道施設の整備についてお答えいたします。 まず、第1点の基幹施設の老朽化の状況とその更新計画についてであります。御案内のとおり、水道事業者が良質な水道サービスを市民の皆さんに継続して提供するというライフラインとしての役割を果 たしていくためには、送・配水管などの管路整備はもとより、浄水場を中心とした基幹施設の建設とそのメンテナンス及び改良更新が不可欠であります。そこで、老朽施設更新事業として、新年度予算案に計上しております主な内容でありますが、一つは市之井手浄水場に設置しております水処理用の制御用電算システムの更新であり、いま一つは汚泥処理施設の更新であります。これらの施設は、いずれも既に耐用年数を超えており、老朽化が著しく維持管理に多額のコストがかさむなど、早急な対策が必要となっているものであります。また、長期的視野に立った今後の更新計画でありますが、それぞれの基幹施設ごとに老朽化の調査や能力評価を行い、その結果 を踏まえ、効率的な更新計画を策定していく考えであります。 次に、第2点の震災対策など、危機管理に対する施設の増強策とその事業計画についてであります。さきの阪神・淡路大震災の被害状況によりますと、水道システム全体を麻痺させ、断水に至った大きな要因は、配水管など管路の被害であったと報告されております。こうした教訓から、ライフラインを支える水道施設には、耐震化や災害対策といった視点での整備が要請されてきたわけであります。そうした中、平成7年度から耐震化の観点から実施する既設配水管の更新などが上水道安全対策事業として位 置づけられ、これら事業費の一部に対し、一般会計から出資を受ける制度が創設されたものであります。さらに、平成9年度からも、この事業に配水池能力の増強もその対象として追加されたところであります。本市におきましては、いち早くこの制度を活用し、平成12年度末を目標に老朽化した既設の鋳鉄管から衝撃に強いダクタイル鋳鉄管に布設替えする事業を、石綿セメント管の更新事業とあわせ、積極的に推進しているところであります。  また、配水池能力の増強についてでありますが、厚生省の「ふれっしゅ水道計画」によりますと、配水池容量 を計画1日最大給水量の12時間分まで確保すべきだとしており、本市にあってもこの目標に沿って、目下、松山総合公園第2配水池と溝辺配水池2号池の築造を進めているところであります。以上の危機管理対策に加え、給水管につきましては従来の塩化ビニール管から耐震性にすぐれたポリエチレン管に変更し、平成9年度から実施しております。 最後に、第3点の設備投資の規模と、その財源措置についてであります。水道施設の整備に係る設備投資の基本的スタンスとしましては、財務体質の健全化、すなわち自己資本構成比率の維持向上を前提とするものでなければならないと考えております。こうした考え方のもと、平成10年度の予算編成におきましては、平成8年度末の自己資本構成比率47.87%の水準を下回らないことを前提として企業債発行限度額や設備投資の適正規模も具体的指標を設定するとともに、これに基づき起債計画及び設備投資計画を調整し、財源の手当をしたところでありますので、御理解賜りたいと存じます。 以上で、答弁終わります。